当院の食道疾患診療の特徴
東海大学医学部消化器外科は、1975年の開院以来、三富利夫教授、幕内博康教授、小澤壯治教授を中心に食道癌の診療に力を入れてまいりました。その結果、手術症例数は年々増加し、2019年までに約2,500件の切除例に達し、国内屈指のハイボリュームセンターとして認知されております。
また胸壁や腹壁の破壊を少なくする胸腔鏡や腹腔鏡を用いた内視鏡下手術を積極的に導入しています。食道癌、胃食道逆流症(GERD)、食道アカラシア、食道憩室、食道粘膜下腫瘍、などが適応であり、内視鏡下手術により出血量の減少、術後の疼痛の軽減、術後早期回復や、早期の社会復帰など多くの利点が得られます。
当院は2005年の新築に伴い、最新の診療設備を整えております。食道癌が疑われた患者様には、専門的な各種の検査{(内視鏡検査(色素、NBI、拡大、超音波)、消化管造影検査、CT、MRI、PET-CT、核医学検査)}を組み合わせて行い、正確に診断しています。この結果に基づき適切な治療を計画いたします。
食道癌と同様に食道良性疾患にも食道内圧検査やpH・インピーダンス検査など精密な検査をする態勢が整いましたので、治療に難渋した良性疾患も積極的に受け入れています。
当院の胃疾患診療の特徴
東海大学消化器外科上部消化管班胃グループでは、胃癌の治療を主に行っております。胃癌の他には粘膜下腫瘍(GIST、NETなどの稀少腫瘍)の他、胃十二指腸潰瘍穿孔などの良性疾患の治療にも対応しています。
主とする胃癌治療においては、手術と化学療法(抗がん剤治療)が中心になります。手術では術前検査で予測される進行度をしっかりと把握し、患者さんのお身体の状態に応じた適切な手術をご提案しております。早期癌や進行癌の一部には腹腔鏡手術を積極的に導入しています。
我が国では高齢化が深刻化しており、当グループで治療を受ける患者さんにおいても胃疾患以外に様々な併存疾患を抱える患者さんが珍しくありません。大学病院にはあらゆる診療科が高いレベルで整備されています。各診療科と連携しながら併存疾患を抱えた手術ハイリスク症例の患者さんに対しても安全で安心な治療をご提供しております。